デニムシャツ newバリエ

scylt/ 9月 10, 2020/ デザインの徒然/ 0 comments

デニムシャツ流れで、もう一ブログ。

いつもオーダー頂いている顧客様から、今回のLEON別注デニムシャツ

のビスポーク別デザイン版、「黒デニム」リクエストのオーダーを頂きましたので

折角なので、このデニムシャツシリーズのデフォルト(仕様面で言えば、scyltのシャツのデフォルトとも言える)のディテールを改めて紹介したいと思います。

という事で、まずは生地集めから。

LEON別注で手配した デニム生地専門メーカー:KUROKIさんにコンタクト。

黒デニム生地(今後の為に白デニムも)、またシャツに使えそうな軽ozの品番もついでに

ツイル地、ダンガリー系、色のニュアンス含めて、色んな種類があります15997251504540

今回の中では、黒デニムは一番左の品番。

この黒デニムは、カウンターの色展開通り、インディゴに比べて、触っただけで色移りするようなタイプではありませんでした、一安心。

色落ち具合の見本も、ここはあまり差がないですね。でも品があってよい感じ。

一番右端の、白デニムも気になりますね。機会があったら、作ってみたいですね

では早速

制作風景は、今回特に撮影をしなかったので、縫製仕上がり品をディテールアップする形で紹介していきます

あくまで、製品ブリーチ前の完成品(釦と釦穴は、ブリーチ後の色に合わせて後でから)です

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デザインはマイナーチェンジさせてます

ブルーデニムでは、刺し子をより強く打ち出すべく、刺し子の運針幅を広めに設定、糸終わりをフロント側に回して、フリンジデザインにしていました。

今回は、その前回の裏面側を表にしたようなイメージで、前回裏側に用いたブザムパーツの当て布を、表側に回し、運針も点に見えるような2㎜出し(裏×6㎜)、糸終わりは内側にして隠しました。

ただ、ブザムパーツ周囲はキリッパなので、製品ブリーチ後には端糸がほつれて、良いグランジ感が出るんじゃないかな・・というイメージです

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バックスタイルは、ブルーデニムと変わらず。

背中のセンターギャザーと背ヨーク(スプリットタイプ)に刺し子ステッチ

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刺し子ハンドステッチは、 上記写真通り、

前身頃胸部、上衿~台衿先端、肩ヨーク、背ヨーク、そして、カフス周囲とガゼット

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裾には、10㎜内側に捨てミシンをうっていますが、こちらは製品ブリーチ&洗いによる破れを防ぐ為に行っています。

実は、前回のブルーデニムのサンプル作成時、一部裾から10㎝程引き裂きが起こっていました

原因は、天候不良によるブリーチ後の乾燥遅滞で、生地に想定以上のダメージがかかり、ブリーチ後の洗濯槽洗いの中でテンションがかかり、破れたんだと思われます

これに関しては、加工プロのZenith さんも、今後の対策として、薬品の濃度を薄くし、脱色&乾燥の回数を増やすことで生地へのダメージを軽減させることを提案してくれました

モノ作りをしていると何かしら、問題が発生するものですが、それをサンプル制作の時点でいかに洗い出すかが、製品の完成度を上げるポイントになります

シャツの仕様に戻り、

袖付けは、scyltのデフォルト、

”後付け” & まつり始末& カマ底ミシンステッチ

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scyltがこの仕様にしている理由は、以前にブログで触れてますが、改めてパターンで説明させて頂きますと

以下の写真、左側のカーブが緩い方が、アームホールをミシンステッチで抑えられるカーブ(生地にもよります)

他のメーカーであれば、更にカーブを緩くしている所もあります

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実製品でみると、下写真のアームホールのステッチ部に、うっすらシワが入っています。これは経年の洗いによるヨコのシワレベルなので全然問題無いレベルですが、(新品のプレス直後ならシワ無しだったと思います)

アームホールのカーブがきつくなると、縫い代がカーブについていかず、”斜め”にシワが入ってしまいます (悪例のシャツを持っていなくて・・)

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一方、右側のパターンの袖ぐりは、前身にもっと入り込んでいます。

よりジャケットに近いパターンと言えるのですが、胸に袖ぐりが食い込むことで、腕を前に動かす時に余計な生地分量の邪魔を無くしているのです

特に、ジャケットの場合は、表地がシャツよりも厚みあり、さらに内付属の毛芯などがしっかりついているので、余計な生地の余りは着心地、動きの邪魔になります

その為、後身は前への腕の振り運動量確保の為に大きくする一方で、前身を小さくするのが「現代の」洋服の構造になっているのです

シャツ地は薄いので、この余分な分量の存在に、気づく人はあまりいないかもしれませんが、

ボディをタイトにしていく場合、余分な分量はシルエットに悪影響を及ぼすことになりますし、

また上記の考えで作られている構造の「ジャケットのインナーとしてのシャツ」を考えると、袖ぐりに余計な余りがある事は、やはり着心地に影響を及ぼすと思われます

この余計な分量の存在が、2つのパターンの袖ぐりの差になるのです

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そして、このジャケットライクな袖ぐりを綺麗に仕上げるには、ミシンステッチでは不可能で、ハンド仕立て、手まつりによって、縫い代幅や分量を調整しながら縫い付ける必要があるのです

カマ底のステッチは、一番摩擦が起こる箇所で、まつりでは糸が切れたり、ほつれの防止になります

その意味で、これら全てはあくまで、必然に迫られた仕様で、飾りや蘊蓄の為に作られたものでないのです。

ちなみに、小生は、どちらの袖ぐりパターンも使います。

基本的に、前に繰られた袖ぐりを使うときは、シルエットをタイトにする場合です

ジャストサイズを求めるビスポークシャツは基本このやり方です

逆に、ビッグシルエットシャツなどは、袖を後付けにしたり、袖ぐりを前に繰る必要性がないので、緩いカーブで袖とボディを繋げて縫う一般的な作り方をします。

特に既製品は、工場がキレイに出来るか出来ないか、の問題もあるので、あえて面倒な方を選ぶことはしません。

やり慣れた縫製方法を選んだ方が綺麗に仕上げてくれるからです

デニムシャツから、少し話が反れてしまいましたが

scyltシャツの基本的な考え方を、シャツ仕様のデフォルトを

今回のLEON別注シャツから興味を持って、飛んでくれた方々に改めて、説明させて頂きました

ちなみに、このシャツはあくまでブリーチ加工前、これからどういうブリーチで行くか思案のしどころ

下写真は、試しに作った部分ブリーチ。前回の様なグラデとは違い、斑な感じのブリーチも面白いかな・・・と。色々ググって参考になりそうなものを探してみたいと思います

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また、追って、インスタかなんかで完成品をお披露目できればと思います

という事で

カジュアルなイメージのデニムシャツ、刺し子ハンドステッチに、ブリーチ加工と

ストリート感を加味したデザインシャツな訳ですが、

scyltならではの「ドレス仕立て」の土台がある事を

ご理解頂ければ という、徒然でした

 

 

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