新作便り

scylt/ 1月 7, 2019/ デザインの徒然/ 0 comments

新年明けましておめでとうございます

今年も、チャレンジ & シャツ縫製の進歩を積み重ねていきたいと思います。

よろしくお願いいたします

早速ですが

12月中に書き上げるつもりの Borrelli 解体 袖編でしたが

なんだかんだ後回しになってしまいました・・・

原因は、次の展示会(総合展示会の出展)

1月21日~23日  New Yorkにて 「Liberty Fashion Fair」 用

の「新シャツ作り」

Liberty Fairs

ということで、今回のブログは

小生(一人のデザイナー)の新作制作風景をちょろと紹介したいと思います

 

新年なのでさらっと、写真で「流れ」を追う感じに。

今回の始まりは、

①「モデル」です

どういうシャツを作りたいか?という事はつまり

どういう人に、どういう風に着せたいか。

という事で、実際の撮影モデルを探すところから始まります。

scyltは、元々「sexy」なシャツスタイリングを目指しています

ただ、ファッションモデルで東京に来るタイプは、ナードな雰囲気のタイプが多く

モードには強いが、セクシーやスポーツ系には弱いタイプが殆ど。

ここ2シーズン、そのせいもあってか作品自体もモード寄りになっておりました

下の写真は、scylt歴代モデルです

3

1stモデル

s-2017_04_236318

2ndモデル

ce1修

3rd モデル

しっかり筋肉系だったのは、1stモデル。

他の2人の時もなるべく、身体の良いタイプを選んでいたのですが、

言っても、細マッチョ位でした。

世界の都市を移動する「季節労働者」のモデルさん達の限られた「東京」時期の中で、顔と、身体と、雰囲気と、 scyltに合うイメージのモデルを探すのは、毎度一苦労です

まぁでも、振り返ってみると、2nd は今っぽいリラックス感のある写真とモード感のある写真も撮れていたので、結果良かったかな。。。

という所でサイトのtoppageは 2ndモデルを採用しています

(周りからどう見られるか、ターゲットの嗜好性はどこにあるかは、やはり意識しなければいけませんね)

今回のモデルの写真は未だ載せられませんが

撮影モデルが決まると、シャツのスタイリングや、シーンのイメージがはっきりとしてくるので、デザインの方向性が決ってきます

その意味で、モデルさんによって、作る新デザインも変わってくると言えます。

ということで

② デザインの決定、デザイン画作成

モデルの着用イメージに合わせて・・・「リゾート系のシャツ」に決定

素材は薄くて、透け感があるローンで洗いざらしを、ビーチで、1枚さらっとセクシーに着ると。

という事で、デザイン画

s-IMG_1762 s-IMG_1760

ポイントは、リゾートシャツとして、「胸の深い開き」。

デザイン画だけ見ると、上の絵はほぼジャケットなのですが、

「深い開き設定」にするために、ジャケットの前開きデザインにしようという感じです。

下のデザインは、scyltらしい、「タキシードデザイン」をリゾートシャツに掛け合わせたカプリタイプを作ろうというイメージですね。

やはり、「らしさ」、というのを意識します。

そしてこれは、主観よりも、客観からの「らしさ」で良いとさえ思っています。

③仮サンプル作成

本デザインサンプルの前に、シルエット&デザインディテールを詰めていくために、自分で着れるサンプルを作ります

モデルサンプルは、自分とはサイズ感や丈感が全く違うので、あくまでデザインがフィックスしてから。

自分で着たイメージと同じイメージをモデルに着せる為です。

上のデザイン画がこんな感じに仕上がりました

IMG_1874 IMG_1877 IMG_1875 IMG_1876

今回は、素材に特徴があるので、最初から雰囲気が出るように、本番生地で1stsample作成しました。

既に、衿のデザインが変わっています。

一度はデザイン画の感じで作っているのですが、

着用確認していく過程で、「ジャケットに寄せ過ぎて、シャツ感が無くなってしまった・・」ということで、変更です。

素材の薄さ、シャツ袖、ディテールなどで「シャツ」に持っていけるとイメージしてたのですが、ちょっと甘かったな。と言う感じでした

ただ、こういう経験を通して、「シャツ」の概念というか、「シャツたるデザイン」のイメージや範囲を知っていく事が出来ます。

デザインを捨てるのは簡単です。

イケてないのは、見れば分かります。

ただ、そこからデザイン変更して、「正解」を見つける事は、簡単な作業ではありません。

(デザインの取捨選択・多様性に「正解」はないのですが、一度選択されたデザインに対しては、「造形」があるので、イメージと理想を完成させるバランス=美しさと言う意味で、「正解」があると思っており、それを追求し、具現化するのがデザイナーの仕事だと思っています)

パターンが悪いんだと、デザイン画をとにかく追っかけることもありますし、

そもそもデザインがイケてなかったんだと、元デザインから離れていく事もあります

直ぐに別のアイデアを思いつく事もあれば、

サンプルをいじくりまわして、デザインディテールを幾つも試すこともしばしば。

デザインの取捨選択は無限なので、ドロ沼にはまると抜け出せません

その為、何らかの、「尺度」を「判断基準」を持っている事も大切です

小生にとって、scyltにとっての判断基準は、

「sexyかどうか」

そこに照らし合わせて、善し悪しを決めていきます。

今回は・・・

元々のデザインイメージの「コア」を突き詰めていく中で、

このシャツのポイント=sexy は、「深い開き」そして、「分量感あるウェストブラウジング」=「ラグジュアリー」としてのsexy にベクトルが振れていきましたと「見えて」きました。

このsexy も、いつも同じイメージ・内容ではなく、その「デザイン自体が生きるsexy さ」であることが重要です

ということで

④デザイン修正

上のデザインでも、ある程度完成はしていました。

ただ、その方向は「サファリシャツ」での完成度で、自分の中では不本意。

ビーチに着るものとして、「ラグジュアリー」と「面白み」に欠けました

ニューヨークの展示会に出すには・・・弱すぎる。

で、こんなんになりました

IMG_1873 IMG_1872 IMG_1871 IMG_1870

オーバーサイズシルエット × ウェスト絞りデザイン

一昔前の色男&イケイケ女子の感じかな。

最近のトレンドは、シャツ裾タックインで、ウェストブラウジングという80年代感。

そうしたイメージを追っている感じですね

しかし、だいぶ変わったな・・・もう少しいじる必要ありかな・・そして、これが正解なのかどうか・・・

実際の話、これもモデルに着せるまで分からないんです(泣)

⑤カプリシャツ × タキシード

1stsample作成、素材の雰囲気はつかめたので、シーチングの素材で作成

こんな感じ

IMG_1867 IMG_1866デザイン画の感じの通りにつくっているのですが、

なんか、セクシーじゃないな・・ スモックみたい・・泣

でも、方向性はなんとなく合っているかなと、これは、デザイン画の雰囲気を突き詰めていこうと。

シルエット、分量感、ディテールを整え、スタイリングのイメージが固まれば、なんとかイケそうだと。

⑥ 2nd サンプル作成

IMG_1865 IMG_1864 IMG_1861 IMG_1862

これも、ウェストマークすると、表情が変わる感じに持っていこうと、そして

襟ぐりもかなり深く大きく開けて、スモックからの脱出を図ってますね・・

また、背中で分量をかなり出して、中世のブラウスのようなボリューミーなエレガンスを目指してます

これも、最終仕上げの一歩前ですが

完成系としては、V開き部に小さなメタルパーツ(刻印入りとか)を縫い付けて、HERMESなラグジュアリー感を出したいな・・・なんてイメージしたり。(このパーツ探しが超難航してますが)

なんて感じで

最後、「完成度」という名の「クオリティ」をあげるべく、ディテールに手を抜かず、作り込んでいきます

 

と言う感じで

シャツの新作を作っております

このシャツを着た撮影が上がったら、2019SSコレクション(1年に1回の発表という・・)で

サイトに上げていこうと思います。

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